デイサービスの送迎は、利用者さんの安心にも、稼働率にも直結する大切な業務です。その一方で、ガソリン代や車両の修理費、人件費の上昇が重なり、「送迎にいくらかかっているのか、きちんと説明できない」という声も聞こえてきます。全国老人福祉施設協議会(全国老施協)の試算では、送迎だけで1事業所あたり年間約115万円の赤字になるとされました。この記事では、その試算を手がかりに、送迎のコストと記録・請求の事務をどう見える化するかを考えます。
01老施協の試算が示したこと
2026年10月21日付の介護ニュースJointによると、全国老施協はデイサービスの送迎について、1事業所あたり年間約115万円の赤字になるという試算を示しました。主な要因として挙げられているのは、ガソリン代、車両の修理費、人件費の上昇です。
あわせて同協会は、基本報酬の引き上げと送迎減算の見直しを審議会に要望したと報じられています。制度がどう動くかはこれからの議論になりますが、事業所の側で「送迎にどれだけコストがかかっているか」を把握しておく意味は、いっそう大きくなりそうです。
試算はあくまで全国老施協によるものです。自事業所の実態は、車両の台数や送迎範囲、運転する職員の配置によって変わります。
02送迎コストが見えにくい理由
送迎のコストは、いくつもの帳簿や担当者に分かれていて、まとめて見る機会が少ないのが実情です。
- ガソリン代や修理費は、経理側の費用として処理されている
- 運転や添乗にあたる職員の時間は、人件費の中に埋もれている
- 送迎の実績(誰を何時に迎えたか)は、現場の記録や表に残っている
- 稼働率や利用者数は、また別の資料で管理されている
費用も実績も数字としてはあるのに、つながっていないために「結局いくら赤字なのか」が分かりにくくなっているのです。
03まず整えたい、送迎の見える化
大がかりな仕組みを入れなくても、次の順で整理すると状況がつかみやすくなります。
- 送迎にかかる費用を一か所に集めるガソリン代、車両の修理・維持費、運転や添乗の人件費を、月ごとに一枚の表にまとめます。
- 送迎の実績を同じ形式で記録する日ごとの送迎件数や利用者数を、誰が見ても分かる形で残します。記録が揃っていれば、請求や確認の手間も減らせます。
- 稼働率と並べて見る送迎の費用を、利用者数や稼働率と並べると、「送迎に見合う利用か」「ルートの組み方を見直せないか」といった検討ができるようになります。
04記録と請求の事務を、現場任せにしない
送迎の記録は、日々の業務の中で後回しになりやすく、月末にまとめて確認するたびに時間を取られがちです。送迎の実績、コストの表、請求の確認が別々に動いていると、担当者が替わるたびに手順が曖昧になることもあります。
記録の形式を決めて、集計と確認を事務側で受け持つ形にしておくと、現場は送迎そのものに集中できます。制度が見直される場面でも、手元の数字をすぐに出せる状態は心強い備えになります。
05COCOiROにできること
COCOiROでは、送迎の記録や請求まわりの事務を引き受ける事務代行(BPO)と、稼働率や経営数値を見える化する空きナビを用意しています。送迎コストの整理から始めたい場合も、事業所の状況に合わせて一緒に考えます。



