記録の清書や申し送りのまとめを、AIに手伝ってもらえたら。そう考えたことのある方は多いと思います。一方で、「利用者さんの名前を入れても大丈夫なのか」という不安から、手が止まっている事業所も少なくありません。そこで、AIに渡す前に名前をかくせる無料ツール「なまえかくし」をつくりました。
01介護の現場で、AIが役に立つ場面
ChatGPTやGeminiのような生成AIは、文章を「整える」作業が得意です。介護の現場でいえば、たとえば次のような場面で時間を短くできます。
- 走り書きのメモを、記録として読める文章に整える
- 長い申し送りを、要点だけに短くまとめる
- ご家族への連絡文の下書きをつくる
- 会議や研修の資料のたたき台をつくる
どれも「ゼロから書く」より「直す」ほうが早い作業です。AIに下書きを任せて、人が読んで直す。この分担にするだけでも、記録にかかる時間はずいぶん変わります。
02いちばんの壁は「個人情報」
ただ、介護記録には利用者さんのお名前や心身の状況が書かれています。心身の状況に関する情報は、法律上もとくに慎重な扱いが求められる情報です。
また、無料で使えるAIの中には、入力した内容がAIの学習に使われる設定になっているものもあります。「便利そうだけど、記録をそのまま入れるのはこわい」と感じるのは、とても自然なことです。
実際に、AI研修を担当させてもらっている支援先でも、こんな声を聞きました。
有料のAIを導入したいけれど、本当にお金を払う価値があるのか、まずは試してみたい。でも、無料のAIには個人情報を入れられない。だから、試す前に諦めてしまう。
有料版を検討する前に、まずは無料のAIで記録の清書を試してみる。その最初の一歩を止めないために考えたのが、名前をかくしてからAIに渡し、返ってきた文章で名前を元に戻すという使い方です。
03「なまえかくし」でできること
なまえかくしは、文章の中のお名前を【A】【B】のような印に置き換えるツールです。AIから返ってきた文章を貼れば、印を元のお名前に戻せます。
鈴木花子さん宅を訪問。長女の鈴木恵子さんも同席。
↓ 名前をかくす
【A】さん宅を訪問。長女の【B】さんも同席。
使い方は3ステップ
- かくしたい言葉を登録する利用者さんやご家族のお名前を入れます。姓と名の間にスペースを入れておくと、「鈴木さん」「花子さん」のような呼び方もまとめてかくせます。
- 文章を貼って「名前をかくす」置き換わった文章をコピーして、AIに渡します。
- AIの返事を貼って「名前をもどす」【A】などの印が、元のお名前に戻ります。内容が事実と合っているかを読み直してから、記録に使います。
安心して使うための工夫
- 入力した内容は、使っている端末の中だけで処理します。インターネットに送ることはありません
- かくし忘れがありそうなとき(登録していないお名前、電話番号、番地まである住所など)は、画面で知らせます
- 同じ名字の方が複数いるときは、取り違えを防ぐために自動では置き換えず、確認をうながします
04使うときに気をつけたいこと
なまえかくしがするのは、文章からお名前を伏せることだけです。実際に使うときは、次の点もあわせて意識してください。
- 名前以外にも、日付と出来事の組み合わせなどで個人が分かることがあります
- 使うAIは、事業所として利用を認めたものを選びます
- AIがつくった文章は、必ず人が読んで確かめてから記録に使います
- 伏せ忘れがないかの最終確認は、使う方自身で行います
ツールがあっても、「どのAIを、どの業務で、どこまで使うか」が事業所の中で決まっていないと、使う人によって判断がばらばらになります。小さくてもいいので、使い方のルールを先に決めておくのがおすすめです。
05AIの使い方を、事業所に合わせて整える
COCOiROでは、Google Workspaceの導入と運用を土台に、生成AIの使い方を含めたレクチャーや、事業所に合わせたルールづくりの相談を引き受けています。「まずは記録の清書だけ試してみたい」といった小さな一歩からでも大丈夫です。
現場の「これ、なんとかならない?」を、すぐに使える形にしていく。なまえかくしも、そのひとつです。
なまえかくしは、無料で使えます
登録やログインは必要ありません。パソコンでもスマートフォンでも使えます。AIの使い方について相談したい場合は、お問い合わせからお気軽にどうぞ。



